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WanCup2006 審査員評

ジャッジA (個人的意見)

今回のWanCupの参加ビール全体の傾向としては、 まずは昨年と比較してレベルが格段に高いことが挙げられるだろう。

WanCupはBJCPのガイドラインに基づいて採点されるが、 オフフレーバーとスタイル外れを指摘されるビールは減り、 むしろ重箱の隅をつつくような減点を余儀なくされるケースがあった。 ホームブルーゆえの思いも付かないアレンジも、ジャッジを楽しませてくれた。 市販ビールにはない贅沢さを感じさせる作品も少なくなかった。

このようなレベルの高い戦いの中で、高スコアを見事に得て 決勝に進んだ7作品は、昨年であればどれも横綱/大関に匹敵する出来栄えであった。 決勝の審査員6名の意見は見事に割れ、選定に非常に時間を掛けた。 この中で横綱、大関に選ばれた作品は自信を持ってお薦めできる素晴らしいビール だった。

今回入賞したビールのレシピは公開されるとのことなので、 是非それを参考に、来年はさらにジャッジを苦労させて(楽しませて)くれる 作品が集まることを期待したい。

来年に向けて、高スコアのポイントを少し書きたい。

  • 澱引きは念入りに行なうこと。イースティさが求められるスタイルでなければ、減点対象になる。
  • 昨年はオーバースパージングの傾向が見られたが、今年はそうでもなかった。引き続き注意が必要。
  • 今年のサービング温度は若干低かった。アロマを強調したいスタイルは注意。
  • ドリンカビリティが高いビールは、応募スタイルを間違えない限り、高スコアが取れる。
  • 筆者はドライホップの影響を見誤った。JCBAの教育ではこのあたりに弱いかもしれない。

ジャッジB WanCup2006のジャッジをして感じたこと

全体として

私は1999年5月にその時点で国内初のAHA SCP準拠の自家醸造コンぺを開催した経験がありました。
そのときにエントリーされたビールと今回のビールの違いを比較すると、もちろん1999年時点でも素晴らしいビールはとても高いレベルの作品がありましたが、多くのビールはAHAのスタイルガイドラインをあまり意識せずに醸造され、とにかくコンペティションに参加したという感じでした。

今回の応募作品は総じて醸造段階からスタイルガイドラインを意識して仕込まれたものがほとんどで7年前のコンペティションとは比較にならないほど日本のビール自家醸造の水準が高くなったと感じました。

個別のカテゴリーの感想

  1. アメリカンエール&IPA カテゴリー (エントリー数9)

    全体としてカスケードに代表されるアメリカ系HOPのさわやかなアロマ・フレーバーに富んだ作品が多くありました。オフフレーバー等の問題を持つものはそれほど多くはありません でしたがHOPの苦みの点ではやや不満が残るものが多くありました。
    アメリカンHOP由来のすっきりとした苦みもこのスタイルの大事な要素ですから次回の作品ではこういった点に配慮していただけるともっと良くなるのではと感じました。

  2. ベルジャン、フルーツ、ベジタブルビール カテゴリー(エントリー数9)

    フルーツとベジタブルの作品で感じたのですが、フルーツやベジタブルの香りやいろいろの表現が奥ゆかしいものが多く、あまりはっきりと特徴を感じられない作品が散見されまし た。
    ガイドラインにもアロマ・フレーバーともにnoticeableでないといけないと規定されていますので このスタイルとしてはそのフルーツなりベジタブルなりをはっきり感じるビールになっていないといけません。
    つかうモノの種類により特徴をはっきり表現するのが難しいものも多いとは思いますがnoticeableになるようガンバッテください。

    USの大会などではnoticeableであるかないかで評価がはっきり分かれる傾向があるようです。
    この点については今回一緒にジャッジしたジャッジCさんも同じ意見でした。

ジャッジC Comments on the judging of the WanCup

I judged the lager category in the morning and the Begian/specialty category in the afternoon. Quite honestly, I thought the standard of entries in both categories was generally quite high. One important difference from an Australian competition was that the number of entries was generally lower, and one reason for this is the much smaller (I believe) number of kit brewers entering the competition in Japan. However, in Australia, I think you get easier access to good ingredients and more space for having serious brewing equipment for all-grain brewing. As a result of these two factors, the standard of entries in the WanCup was more uniform, with most of them being quite well made, yet we didn't encounter any truly outstanding (41+ points) beers. In an Australian comp you will get a lot higher percentage of bad beers (made by low-skill kit brewers), but also a few really excellent beers. I hope we can continue to promote home brewing in Japan and see the WanCup grow to 100+ entries in future years.

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